料理教室 春 山菜編
2009年 03月 28日
「御馳走」という言葉は料理する食材を馬を走らせて集めたことから来ているそうです。
食べてもらう人の為に食材集めに奔騰する事が一番のおもてなしでもあるし、御馳走では食材がとても大切だと言う事の様にも解釈できます。
現代の様に交通手段の発達していない昔は、遠くの食材は珍しく、海のない地域で新鮮な海の魚介類はとても貴重な御馳走である様に、その食材が食卓にのぼるだけでもたいした御馳走でした。
現在の日本は食材の約6割を海外に依存しているのですが、遠くから食材が運ばれて来るという意味では御馳走大国だと言えます。もちろんこれは皮肉ですけど。
簡単に食材が手に入る現代、いつの間にか御馳走は「高価で珍しいもの」と言う存在に変わってしまいました。
一方で、もてなす側が食べる人の為に時間を惜しまず馬を走らせてでも食材を集めるそんな「気持ち」が真の御馳走だと言う事に気付き始めたとも考えられます。
イタリアは発祥のスローフードもそんな考え方の現れだと言えます。
私たちが企画した料理教室はその食材集めから考える教室で、畑から省材を調達してそれを調理する。そんな教室です。
この季節、畑には作物が調達ができないので近くで山菜を摘み、それを使って料理をしました。今回ここでは詳しいレシピなどは紹介しませんが、カンゾウ、フキノトウ、なずな、よもぎ、タビラコ、などの食材をつかって料理をしました。
自然から食べる分だけ頂く、なんだか量り売りに似ていると思いました。
自分たちで育てた野菜を使った料理でもてなす、昔は当たり前の事が現代ではとても贅沢な御馳走です。この料理教室を通してそんなことを伝えて行ければと考えています。
# by genkiueno | 2009-03-28 09:30 | 食