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自然農の田植え

 以前このブログで「お米の苗床作り」について書きました。その後、今年は寒い春になったため発芽の時期が遅くどうなるかと心配していましたが、ここのところ暑い日も続いてなんとかいつも通りの田植えができそうです。先日、テレビのニュースで富士山に「農鳥」が出現したと言う話題が取り上げられていました。富士山の8合目あたりの残雪の形がちょうど鳥の形に見えるようになると田植えの時期だという昔からの言い伝えで、このように呼ばれているそうです。今年はいつもの年より約一月遅れで現れたらしく、やはりこの春が寒かったのでしょう。私たち自然農の田んぼの田植えはいつも6月の中旬からなので今年に限っては「農鳥」に合わせての田植えとなりました。今回は私たちが作っている自然農の田んぼから第2弾をお届けします。

苗床には、つい先日まで寒冷紗をトンネル状にして掛けていましたが、これは朝晩の冷え込みが最近まで続いたためです。しかし寒さより強敵なのは今年の場合は苗床の雑草でした。ヒエを始めとして苗床には稲より早く大きくなる雑草がいっぱい。この雑草を取り除いてやらなければ苗は大きくなりません。小さな稲の苗を抜かないように気をつけながら一本一本丁寧に抜いていきますが18メーターにも及ぶ苗床の雑草を全部抜き終わった頃には最初抜いたところには新たな雑草が生えている状態。でもこの作業が苗の生長に大きく影響を及ぼすので手抜きはできません。苗床を作ってから約2ヶ月、寒さや雑草にも負けず力強い苗ができました。苗は既に分けつを始めていて根もしっかりと伸び広がっています。普通の田植えの苗よりもかなり成長した状態です。この苗を1本か2本づつ田んぼに移植してゆきます。いよいよ田植えのスタートです。

自然農の田んぼは不耕起ですので、田んぼに水を入れて耕耘機でかき回すいわゆるシロカキをしません。草を刈り倒し、そこに苗を植えてゆき、水を入れるのです。ですから泥んこのイメージを持っている人から見ると「これが田植え?」なんて思うかも知れません。実際に田植えの済んだ様子を見てもどこに植えられているのか分かりにくく他の田んぼとはかなり印象が違います。刈り倒された雑草はいずれ腐り稲が育つ養分になりますし、次の雑草が生えるのを抑える役割も果たします。しかしながら雑草の勢いは凄く、田植えが終わってからしばらくの間は雑草の草刈りに追われます。秋の収穫の喜びを思い浮かべながらこの作業に取り組みます。この様に田んぼの仕事はそのときその時にしなければならないことを的確にして行くことが大切です。田植えでは、一本一本苗を黙々と植えていく、気の遠くなるような田植えもこの一本の積み重ねで大きな面積が全て植え終わります。この様に目の前の仕事に没頭する時間は意外と心地よいものです。

私たちが自然農で米作りをするのも8年目ですが、まだ一年分の我が家で消費する量のお米を収穫するまでには至りません。私たちが農作業に割ける時間も限られていますし、手作業でできる仕事量も限られています。だからこそ無理なく続けられるだけの面積で米作りをすることが大切だと思っています。このぐらいの量を収穫するんだと答えを用意してしまうと無理をしすぎて結局続かないと思います。私はできるだけ多くの人が少しずつでも農作業にかかわれることが良いのではないかと考えています。そうするときっとお店に並んだ野菜やお米などの作物も違って見える様になるのではないでしょうか。
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分けつを始めたお米の苗。一本ずつ手で植えてゆきます。

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植えられた苗。まわりは刈り倒された草で覆っています。

by genkiueno | 2007-06-18 21:27 | 自然農  

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