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黒米

最近では黒米も身近な存在になり手に入りやすくなりました。地給市場でも地域で穫れた黒米を販売していますが、作っている人も多く一年通してお店に出ている数少ない商品です。食べる時には白米2〜3合に対して大さじ1杯ぐらいを一緒に炊くので消費量もそんなに多くありません。ですからお米の苗床を作る時に1〜2合蒔けば一年間食べるぐらいの収量は有ります。私の田んぼでも必ず一部分は黒米を作ってそれを食べています。黒米は古代米の種類とされていますが、その生命力は強く、無肥料でも充分に育ちます。脱粒した黒米から翌年発芽して実をつけるなんて事も珍しくありません。黒米にも種類があり、長い形の長粒米と、普通のお米と同じ短粒米がありますが、そのほとんどが餅種です。ですから炊くともちもちした食感になります。長粒米は収穫時期に脱粒しやすく稲刈りの時期が難しいので私は朝紫と言う短粒米を作っています。こんな光景を見た事があります、田んぼのまわり、四方に一列だけ稲を囲むように黒米を植えているのですが、これは鳥よけの効果があるそうです。なるほど黒米は他の稲よりも背が高く、穂も黒く風が吹くとそれが揺れるので警戒心の強い鳥は近寄らない気もします。鳥害も防げ収穫もできれば一石二鳥です。
黒米の原産は中国で、昔から滋養強壮に優れ、造血作用があるとされ、若返りの薬として好まれ薬米とも言われており、今でも日常的に食されているようです。日本へもやはり中国から持ち込まれたようです。栄養価は科学的にも実証されていて白米に比べ、ビタミンB1、B2、E、鉄、カルシュウム、マグネシュウム、亜鉛などのミネラルも豊富で、紫黒色はアントシアニン系の色素で、目に良いとされています。他にも抗酸化作用があったり動脈硬化を予防したりする働きがあるようです。
黒米を入れて炊くと炊きあがりはピンクがかってまるで赤飯のようですが、おめでたい時などに黒米を食べたと言われていて、おはぎの原点も黒米だったと言う話も聞きました。健康を願いいつまでも若々しくありたい、そんな思で古代から絶えること無く作り続けられ受け継がれてきた黒米が再び注目される事はごく自然な事なのかも知れません。「スプーン一杯の健康」って言うキャッチフレーズはいかがでしょうか。
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黒米のおはぎ

by genkiueno | 2007-03-28 16:52 | 地産食材  

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