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地産地消と量り売り

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 地給市場には、量り売りを象徴するモニュメントのような醤油樽があります。この醤油の量り売りが始まりだったのです。

「地産地消」地域で作られたものを地域で消費する。
量り売りの店を始める時に地域の食材を探しましたが、この言葉の意味について深く考えさせられる事になりました。
私たちはまず地域に残っている、醤油屋さんや油屋さんなど地域で作っているお店を探しました。電話帳で調べたりインターネットで調べたり地元の人に尋ねたり。
「ほんの10年ぐらい前まではあったけんど、今は、ねえずら。」
ここ十数年でそれらのお店は地域から無くなってしまっていました。

「地産地消」の産の字は産み出す意味ですが、地域で産み出す事を守って行かなければ地産地消は成り立たない当たり前の事に気づきました。産み出す地域を意味する頭の地を消すと「産地消」、まさしく産地を消すの意味になります。

油を搾っている所はすでに無くなっていましたが、幸運にも醤油を造っているお店がありました。更に幸運な事に山梨県で「もろみ」から作っている醤油屋さんは二件しか無く、そのうちの一件でした。韮崎市にある井筒屋醤油店がそのお店です。

とにかく、量り売りの交渉に行きました。すると、蔵まで案内してくれて製造の工程など詳しく教えてくれ、醤油の需要が減っている事や蔵を維持する大変さなど色々お話ししました。そして、量り売りを一緒に考えてくれる事になりました。樽を共同で作り、醤油屋さんが20リットルのポリタンクで持って来て樽に移してくれる事になりました。その樽からお客さんの持って来た瓶に入れます。
市販の醤油に添加されているアルコールも入れないようにしてもらってます。このような対応も地域ならでは可能な事です。量り売りは地産が同時に存在することで成り立っていたに違いありません。地産が消える事で量り売りも消えて行ったのかも知れません。
ちなみにアルコールはペットボトルに醤油を入れてそのままにしておくと熟成が進み内容量が増え、ふたを開けた時に飛び出す恐れがあるのでアルコールをいれて熟成を止める意味があるようです。樽の中で生きている醤油は、気に入ってくれるお客さんもたくさんいます。

最近、地給市場に出荷してくれる生産者に紹介して無農薬の大豆を持ち込みそこで仕込んでもらい醤油を作る事になり、地域のオリジナルの無農薬大豆の醤油が可能になりました。そしてその醤油をを量り売りする事が実現できそうです。

地産を消さない事、それが地域の食文化を守る事になり、更に新しい可能性を産み出す事になるのではないでしょうか。

by genkiueno | 2006-01-20 16:45 | 量り売り  

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